ピーター・パーカー/スパイダーマン:アンドリュー・ガーフィールド
グウェン・ステイシー:エマ・ストーン
カート・コナーズ博士/リザード:リス・エヴァンス
ジョージ・ステイシー 警部:デニス・リアリー
ベン・パーカー:マーティン・シーン
メイ・パーカー:サリー・フィールド
リチャード・パーカー:キャンベル・スコット
メリー・パーカー:エンベス・デイヴィッツ
ラジット・ラーサ博士 :イルファン・カーン
フラッシュ・トンプソン:クリス・ジルカ
【スタッフ】
監督:マーク・ウェブ
脚本:ジェームズ・ヴァンダービルト /アルヴィン・サージェント/スティーヴ・クローヴス
原作:スタン・リー /スティーヴ・ディッコ
製作総指揮:スタン・リー /ケヴィン・ファイギー /マイケル・グリロ
製作:ローラ・ジスキン /アヴィ・アラド /マット・トルマック
【映画情報】
原題:THE AMAZING SPIDER-MAN
製作年:2012年
製作国:アメリカ
音楽: ジェームズ・ホーナー
撮影 :ジョン・シュワルツマン
編集: アラン・エドワード・ベル/ピエトロ・スカリア
製作会社 マーベル・スタジオズ/ローラ・ジスキン・プロダクションズ
配給 (アメリカ):コロムビア映画
配給(日本):ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 136分
『アメイジングスパイダーマン』(誕生50周年記念作品)やっと観てきました。
まずはじめに言っておかなければならないのは、この『アメ・スパ』はサム・ライミ版とはまったく別物であると言うことです。
ピーターの性格の違いや伯父さんが殺されてしまう過程など一つ一つを挙げればきりがありませんが、全編を観て感じ取った全体の印象が、時代設定は共に現代であるにも拘らずサム・ライミ版はどことなくノスタルジックな雰囲気が感じられました。一方『アメ・スパ』はいかにも今風です。なので自分的には今回の作品のタイトルは『アメイジング』というよりは『アルティメット・スパイダーマン』の方がしっくりきます。「アメイジング」をつけるならむしろライミ版の方でしたね。
ともあれ3Dでスパイダースイングが体感できることにワクワクしたし、リザードとの格闘シーンもスパイダーマンの俊敏な動きや、シュシュッとウェブを出すCG映像などとても楽しめました。
但し、ステイシー警部が死に際にピーターと交わした「娘には近づくな」という約束を、ラストで「守れない約束もあるよね」とピーターがあっさり覆し、グエンがニヤリと微笑むシーンは、原作の悲惨な結末が頭をよぎる自分には少し複雑でした。
そしてこの『アメ・スパ』、シリーズ化決定のようで、一スパイダーマンファンとして次回作も楽しみにしています。
そしてそしてジェイムソン編集長には是非とも復活してほしい、やはりこの人がいないと……^^;
■おまけ
劇場入口にあった3メートルはあろうかと思われる等身大ポップ

勿論鑑賞中のドリンクはこのボトルで

【補記】スパイダーマンの両親
ところで、『アメ・スパ』ではいきなり冒頭からピーターの両親(リチャード&メリー)が登場して、ストーリーに深く絡んできました。
実はコミック誌上ではほとんどこのピーターの両親は登場していません。初出は『Amazing Fantasy #15』(1962年8月号)から6年後の1968年に刊行された『Amazing Spider-Man Annual #5』で、「The Parents of Peter Parker!(ピーター・パーカーの両親)」という、まんまのタイトルで登場しています。
ある日ピーターはメイ伯母さんに頼まれて古いトランクを地下に運んでいた、するとその中には結婚式のピンナップと共に新聞の切り抜きが‥‥。〝リチャード・パーカーとその妻、国家に対する反逆罪で告訴〟
唖然とするピーターはメイ伯母さんから両親がアルジェリアで飛行機事故死したことを聞き出し、真偽を確かめる為、スパイダーマンとなりファンタスティック・フォーの協力の下、アルジェリアへ調査に向かった。そこでレッドスカルが支配する組織に潜入し、リチャードのライセンスカードを発見した。ピーターは両親が確かに秘密諜報部員として働いていた事実を付き止めたのであった。
両親が悪の組織のメンバーだったことに愕然とするピーター。しかしその後ピーターはそのライセンスカードが袋状になっていることに気付く。中には別のライセンスカードが入っており、それは合衆国が発行したものであった。実はピーターの両親は反逆者ではなく二重スパイとなり、国家の為に忠実に働いていたのだった。
次にピーターの両親が登場するまでにはかなりの年月を要しました。
1992年に刊行された30周年記念の『Amazing Spider-Man #365』(1992年8月号)がそれで、死んだと思われていたリチャードとメリーが突然ピーターの前に現れます。そして『Amazing Spider-Man #388』(1994年4月号)までの約2年間登場するのですが、実は二人はグリーンゴブリンがカメレオンに造らせたロボットだったという、凄まじい(笑)〝オチ〟が待っていました。 『Amazing Spider-Man #388』より
そして二人を最も深く掘り下げて紹介したのが1997年に刊行された『Untold Tales of Spider-Man # Minus 1 』(1997年7月号)です。
ジョン・ロミータ・シニアによる衝撃的なカバーは、リチャードとメリーがS.H.I.E.L.D.のエージェントだったことを明らかにしています。本編のアートもロミータが担当し、16頁にわたり二人にまつわるストーリーが展開されています。
リチャードはニック・フューリー大佐のオファーを受けCIA陸軍特殊部隊キャプテンになった。
またメリーは幼くして母親を亡くし、父親と二人で暮らしてきた。
父はOSS(CIAの前身)のエージェントであった。
その父も亡くなり、彼女は父の後を継ぐかのごとくCIAに加わり、アナリストと翻訳家として任務を全うした。
そしてメリーはリチャードと出逢う。
デスクワークだった彼女は常にフィールドへ出ることを願っていた。
やがてその夢がかない、リチャードとパートナーを組み職務に当たる事となった。
二人の間にロマンスが芽生えるまでには時間はかからなかった。
◆
映画『アメ・スパ』では父・リチャードはオズコープ社で働く科学者(コナーズ博士は研究パートナー)でした。『アメ・スパ』ではライミ版とは違い、ピーターの両親にかなりスポットを当てており、次回作でも何らかの形で両親の過去の秘密が明らかになると思われます。