造形師・スティーブ・キューズの本

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もともと造形には興味があったのですが、5月にプロトタイプのフィギュアを入手してからはさらに興味が深まり、何かこの手の本がないものかとアマゾンで検索したところ、マーベルフィギュアの造形を初期の頃(MSHシリーズ)から担当している超有名スカルプター、スティーブ・キューズ氏の作品集的な本があったので、早速購入してみました。
『Babes, Beasts, and Brawn: Sculpture of the Fantastic』
著者:Steve Kiwus
ペーパーバック、160頁
出版社:Dark Horse Comics
発売日: 2006年8月30日
本の寸法:27.7 x 21.6 x 1.3cm


本の中身の大半は今までスティーブ氏が手掛けた作品が掲載されている「ギャラリー」の頁からなっています。彼の作品はX-MEN、スパイダーマン、スポーン、バットマン等のアメコミヒーロー物から、プレイボーイ、ベイブスのようなセクシー系、トイストーリー等のカワイイ系まで様々なジャンルに及んでいます。

それでは例によってスパイダーマン関連の作品をご紹介します。

Battle Ravaged Spider-Man(2002年)
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この本を見て発見。先日入手したプロトタイプもスティーブ氏によるものでした。




Mary Jane(2002年)
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ファイナル(市販品)【画像右】を比較に載せてみました。プロトのかわいい顔とリアルなドレスの柄にウットリしてしまいました。市販品もせめてもう少しコレに似ていたらよかったのに・・・。




Marvel Select Black Cat(2003年)
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コミックの中のひとコマをうまく再現しているシリーズのひとつです。
二次元が三次元になる嬉しさが、これを見ているとフツフツとわいてきます。




Venom the Madness (1996年)Scream(1996年)
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何の予備知識も無くショップでマッドネスを見た時は衝撃的でした。当時、リアルな完成度の高さで業界に新風を巻き起こしていた「マクファーレン・トイズ」に対抗してのフィギュアだったのか、今までのトイビズ製品とは明らかに作風が違っていました。てっきり造形師が変わったものだと思っていましたが、そうではありませんでしたね。
フィギュアの出来の良さの変遷をみていると、やはり「マクファーレン・トイズ」の果たした役割は非常に大きいと改めて実感します。




Others
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X-Menシリーズの初期もの等、画像左上から、
Strong Guy(X-Men Series 5)
Battle Hulk(Animation Series 2)
Tusk(X-Men Series 5)
Kruel(X-Force Series 2)  
Robot Wolverin(X-Men Series 7)
Wolverin(X-Men Series 3)
Random (X-Men Series 6)
Cameron Hodge (Mutant Genesis Series)
Killspree(X-Force Series 4)





■個人的チョイスによる造形美BEST 3■

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第3位 Iceman(1997年)
1997年にリリースされた「X-Men Water Wars Series」のUltimare Iceman。水色クリア素材で登場しています。
イラスト上は「あぁ、カクカクしているなぁ(笑)」という目でしか見れませんが、こうして立体になると冷たさや触ると痛そうな感じが伝わりますね。実に斬新なデザインです。




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第2位 Mystique(2000年)
色が付く前よりこのままの方がミスティークっぽい(゜▽゜)。皮膚の凸凹がかなり手がこんでいます。




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第1位 Mecha Hulk(2004年)
まず何よりもハルクとメカを合体させるという発想が素晴らしい。
そして太い腕とイカツイ顔で圧倒的な迫力を感じますが、見逃してならないのはそのパーツの多さです。細部にわたって造り込んでいるのがプロトで再確認できました。
ちなみにこのメカハルクはコミック登場キャラではなく、このフィギュアシリーズの為にデザインされたものです。






■HOW TO■
なお巻末には作業工程が50枚以上の画像を使用して丁寧に解説されています。
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■補記■
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初めてスティーブ氏を知った本。1995年に出版されたトイビズフィギュアのガイド本『The Ultimate Marvel Super Hero Toy Collector's Guide』。
画像のプロトタイプはすべて2UPです。

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