WHAT IF VENOM had possessed the PUNISHER

「もしも・・・だったら」という〝仮定のマーベル世界〟を描いた「What if...シリーズ」に、もしもベノム(※)がパニッシャーに寄生したらというストーリーがあります。
このキャラは以前(2002年)、メディコム・キューブリックのシークレットアイテムとして登場し有名になったのでご存知の方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
※本来は寄生体とエディが合体したものがベノムなので、ベノムがパニッシャーに寄生するという言い方は正確には間違いです。

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       MARVEL SUPER HEROES Series 1 Secret Item


ちなみにこの「もしもシリーズ」、スパイダーマン関連では、「もしもスパイダーマン(ピーター)がMJと結婚しなかったら」、「もしもスパイダーマンがコズミックパワーを持ち続けたら」等、最近(2005年2月号)では、「もしもベン伯父さんの代わりにメイ伯母さんが殺されていたら」というとても興味ある話も作られています。



それではパニッシャーがベノムに寄生される『WHAT IF...? Vol.2 #44』のあらすじを簡単にご紹介したいと思います。 

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WHAT IF...? Vol.2 #44(1992年12月号) 「WHAT IF VENOM had possessed the PUNISHER」 カバー


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ご存知のように正史では、スパイダーマンから離された寄生体はエディ・ブロックと合体しましたが、この物語ではパニッシャーと結びつきます・・・。

ある日、スパイダーマンに怨みを抱く寄生体は教会で祈るパニッシャーを次の宿主に選びました。
実はパニッシャーは教会に入る直前にスパイダーマンがウェブスイングしているのを目撃しており、彼の脳裏にはスパイダーマンのことが印象的に焼きついていました。さらに元から彼がもっている復讐心も寄生体の波長と一致したのでしょう。



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当初、主導権は寄生体ではなくパニッシャー側にありました。
そこでパニッシャーは、まずはこの寄生体は一体何者なのか・・・その能力を知る為に様々な〝テスト〟を試みます。
まずは自らを老人の姿に変え(!)、ロキ・ヴァンスという犯罪者に近づき殺害しました。



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そして、手の甲からはウェブを発射できることを発見し・・・、



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さらには自在に弾丸をも撃てることが判明しました。



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能力を認識したパニッシャーは、より巨大な犯罪組織との戦いを始めます。そしてこの頃から徐々に寄生体はパニッシャーの意識を乗っ取りはじめます。殺害もより残忍さを増してきました。



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パニッシャーの意識をほぼ乗っ取った寄生体は、恨みを持つスパイダーマンに立ち向かわせます。パニッシャーの力はスパイダーマンを圧倒し、スパイダーマンは殺されかけます。



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〝Spider-Man is NOT a Target !〟
しかしわずかに残されたパニッシャーの意識が、スパイダーマンは敵ではないことを主張します。
スパイダーマンは九死に一生を得ました。



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ベノムに寄生されたパニッシャーに脅威を持ったスパイダーマンは、何らかの解決策を得ようと、以前寄生体分離に協力を得たファンタスティック・フォーの元を訪れます。
スパイダーマンはリード・リチャーズから特殊銃(ソニック・ブラスター)を授かりました。

※このソニック・ブラスターは以前スパイダーマンから寄生体を分離させる際に使用している。
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            『Amazing Spider-Man #258』(1984年11月号)より




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一方、パニッシャーは暗黒街の帝王キングピンを求めアジトに乗り込み、まずはトゥームストーンを食い殺します。



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追い詰められたキングピンをデアデビルとタイフォド・メアリーが護衛します。



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しかし、パニッシャーは難なく彼らを払いのけ、あっさりキングピンを殺害し、立ち去りました。



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寄生体はパニッシャーを再度スパイダーマンの元に向かわせます。
パニッシャーがスパイダーマンのいる教会に到着した時、そこにはスパイダーマンの他にデアデビルとムーンナイトが待ち構えていました。



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しかし3体1の戦いでも、パニッシャーは強すぎてまったく歯が立ちません。



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そこでスパイダーマンはパニッシャーから寄生体を分離させようと、リードから受け取った「ソニック・ブラスター」をパニッシャーに向け発射しました。



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いったん分離したかに見えましたが、不幸にも寄生体とパニッシャーは完全に一体化してしまいました。
唯一の救いは意識のコントロールの主導権が再びパニッシャーに戻ったということです。



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パニッシャーの顔からは寄生体は退き、フランクの素顔が現れました。ただし胸のパニッシャー・スカルには蜘蛛足が残されています。
三人のヒーロー達に向かいパニッシャーは、この能力は〝復讐の手段〟として存分に使う。しかしもし寄生体に意識を乗っ取られ、コントロールできなくなれば、その時は自ら命を絶つ、と言い残し、何処かに〝飛び去って〟行きました。



      【パニッシャーベノム 最終形態!?】
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素顔を見せたパニッシャーベノムの背中には寄生体で作った翼が! 
そして様々な無敵の能力を得た〝復讐鬼〟パニッシャーベノムの向かう先は・・・!?





      RAH Venom had Possessed The Punisher
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メディコムから12月に発売予定です。手にはハンドガン、背中にはショットガンを持っています。コミックの中ではショットガンは寄生体から成っているのでこのように手で持つシーンはありません。
           ↓どうやら扉絵からのイメージのようです↓
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ただし扉絵の方はスパイダーマンフェイスですが、RAHの方はベノムフェイスになっています。
パニッシャーベノムの顔は意識がどちらにあるかで変化します。つまり意識がパニッシャー側にある時にはスパイダーマンフェイス、寄生体側にある時はベノムフェイスになるというわけです。
例えば、上記〝Spider-Man is NOT a Target !〟の画像で、スパイダーマンを殺そうとする時はベノムフェイスですが、殺すのを思いとどまった時はスパイダーマンフェイスに変化しています。

※最終形態ではベノムパニッシャーはフランクの素顔になっているので、この先意識は寄生体側には決して移行しないのでは、と勝手に推測しています。

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