現在スパイダーマンコレクションのメインはヴィンテージトイやフィギュアではなく、月に20冊ほど新刊を購入しているアメコミです。今回も最近購入したコミックの中から、『Sensational Spider-Man Annual #1』 『Friendly Neighborhood Spider-Man Annual #1 』『Spider-Man Fairy Tales #1 』の3冊をご紹介したいと思います。
【SENSATIONAL SPIDER-MAN ANNUAL #1 】
個人的には久しぶりに読み応えのあった “感動ラブストーリー” です

MJはコーヒーショップ「BEAN」で、以前ロスにいる時に警護で世話になったブレイディー・オブライアンに声を掛けられます。
久しぶりの再会に喜ぶMJでしたが、実は彼は、現在SHIELDのもとで働いており、もしピーターがどこにいるか明らかにしなければ彼女を逮捕すると言います。(ピーター=スパイダーマンはシヴィルウォー後逃亡生活をしている)
口を割らないMJにオブライアンは手錠を掛けようとしますが、そこにスパイダーマン(ブラックコスの上にコートを纏い素顔のまま)がコーヒーショップの窓を破って救出にやって来ました。
話の内容はいたって単純ですが、Matt Fraction による回想シーンを織り交ぜたストーリー展開が素晴らしく、また Salvador Larroca の写実的なアートにも思わず引き込まれてしまいました。
本作品34頁のうち回想シーンは10頁あり、その回想シーンはすべてジョン・ロミータ・シニア風のタッチで描かれています。しかもコマまでほとんど当時のまま再現しています。
右が本作品、左は『Amazing Spider-Man #87』(1970年8月号)より
感動のラストシーン
MJを救出したピーターはエンパイア・ステート・ビルのトップへ連れて行き、そこで二人は互いの気持ちを確かめ合い、永遠の愛を誓った。
おまけ
本作品の舞台となったコーヒーショップ「BEAN」は、古くから「スパイダーマン」の登場人物が訪れている溜まり場です。
『Amazing Spider-Man Annual #4』(1967年)より
【FRIENDLY NEIGHBORHOOD SPIDER-MAN ANNUAL #1】
映画「スパイダーマン3」でも登場したサンドマン(=ウィリアム・ベイカー→フリント・マルコ)のかつて語られることがなかった幼年期からの生い立ちが紹介されています。
7歳のビリー(ビリーはウィリアムの愛称)は砂彫刻に魅了されたあどけない少年でした。(髪型と水着の柄に注目

そんなビリーもハイスクールに入る頃にはガキ大将へと変わっていきます。(名前もウィリアムからフリントへ変更した)
フリントは持ち前の負けん気と優れた体力でフットボールの花形になります。
しかし、ある日、友人が賭博で多額の負債を負い、その友人から八百長をしてほしいと懇願され、フリントはフットボールの試合より友人の生活を気遣い、わざと負けたのでした。
そしてこのことが転機となりフリントの人生の歯車は狂い始めるのでした・・・・・。
以前発行された『スパイダーマンパーフェクトガイド』の解説では、フットボールでの八百長は友人の為に行なったという記載はなく、自らが地元の博打打ちから金を受け取ってわざと試合に負けた、とあるので、本作品で多少汚名は返上されました。
【SPIDER-MAN FAIRY TALES #1 】
「スパイダーマンおとぎ話シリーズ・4部作」が始まりました。
1作目はスパイダーマンとグリム童話の「赤ずきん」が融合した、かなり異色な物語です。
メルヘンチックなアートはRicardo Tercioによるもの。
本作品での赤ずきんは勿論メリー・ジェーン。ピーターとジェイムソンは「きこり」です。
黒いオオカミはマンウルフというよりはクレイヴンな感じですね。
通常の「スパイダーマン」作品とは一線を画す本作品ですが、色々なことを試みるのは良い事だと思います。
はたしてピーターはオオカミからMJを救うことができたのでしょうか!?
なお「おとぎ話シリーズ」3作品目は日本の古典的な幽霊が登場するようです。どんな幽霊がスパイダーマンと対決するのかとても楽しみです。
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