【First Appearance】
メリー・ジェーン(以下、MJ)がコミックに初登場したのは『Amazing Spider-Man #25』(1965年6月号)誌上。しかし、なぜか素顔は花瓶の花で隠されて確認できませんでした。
メイ伯母さんにMJを紹介された、ベティ・ブラントとリズ・アレンはその“映画スターのような”華やかな容姿に圧倒されます。読者は彼女達の反応をみてMJの外見を想像するしかありませんでした。
【JACKPOT】(大当たり!)
その後、『Amazing Spider-Man #38』(1966年7月号)でも素顔が見えないカットで登場し、MJの素顔が明らかになったのは『Amazing Spider-Man #42』(1966年11月号)、アーティストがスティーブ・ディッコからジョン・ロミータに替わって間もなくの頃です。
このMJとピーター・パーカーの運命的な初対面シーンは、いまやコミックブック誌上に残る名場面となっています。ロミータの描くMJは魅力的でセクシーでしたが、肉感的ではなくどちらかといえば清楚な感じがしました(その後のアーティストの中にはMJを色っぽくした人も何人かいました)。
初登場シーンはスタチューでも再現されました。2003年、Dynamic Forces社製。造形は Clayburn Moore、 限定1966個。
【誕生から出会いまで】
MJの生い立ちについては『Amazing Spider-Man #259』(1984年12月号)や1989年5月に発行された特別号『Amazing Spider-Man Parallel Lives』で描かれています。
ここでは『Amazing Spider-Man Parallel Lives』の内容を中心に、MJが誕生してピーターと出会うまでの生い立ちを簡単にご紹介したいと思います。
MJはペンシルバニアで生まれました。家族は父・フィリップ、母・マデリン、4歳違いの姉・ゲイル。
フィリップは作家志望でしたが、夢が叶わないのは家族のせいと、妻や子供を罵倒し,さらには酒をあおり、暴力を振るうようになりました。マデリンは幼いゲイルとMJを連れてフィリップの元から去る決意をします。
それから三人は親類の家を転々とします。MJが13歳になった頃には少しの間だけニューヨークのフォレスト・ヒルズに住むアンナ伯母さん(フィリップの姉)の家で暮らします、MJはアンナが大好きでした。
そんなある日、MJは隣に住む少年、ピーター・パーカー(14歳)を初めて見かけます。枯葉を黙々と掻き集めるピーターをMJはとてもキュートだと感じました。
※ちなみに『Amazing Spider-Man #259』でも同場面が描かれていますが、ピーターは本を小脇に抱えて、いかにも“ガリ勉”でひ弱そう。MJはそんな彼を見て「so Serious !」(とてもまじめな人)と言っています。なぜ第一印象の設定が変わってしまったかは不明ですが、まあアメリカらしいといえばらしいですね・・・ 『Amazing Spider-Man #259』より
その年の秋、マデリンとMJはアンナ伯母さんの元を離れ、ピッツバーグにあるマデリンのいとこのフランク・ブラウンの家で生活を始めます。MJはここからハイスクールに通いました。ゲイルはハイスクールで知り合ったティミー・バイアンと卒業直後に結婚しました。
フランクは妻を亡くしており3人の幼い子供をかかえていました。フランクはかなり気性の荒い性格で、少しでも気に入らないことがあると、マデリンに喰ってかかりました。
MJの暮らしは決して楽ではありません、むしろ辛いことの連続でした。MJは姉ゲイルの結婚生活も幸せなものではないとうすうすと感じるようになりました。
それでもMJは友達の前では涙は見せず、気丈に明るく振舞い、時には“Party Animal”(パーティ狂)を装ったりもしました。
ある日、アンナ伯母さんの家に遊びに来ていたMJは隣家で起こった“ある事件”に遭遇します。
そう、ベン伯父さんが強盗に殺された、あの忌まわしい事件です。ショック状態のメイ伯母さんはアンナの家に運ばれ看護を受けました。
その頃、すでにピーターはスパイダーマンとしてテレビショーでの人気を確立していました。
何も知らずTV局から帰宅したピーターは事件を知り驚愕します。MJは、犯人追跡の為スパイダーマンとなり窓から出てきたところを目撃します。つまり「ピーター=スパイダーマン」ということは始めから分かっていたのです。
※この事実をピーターに告白するのは、それから数年後、『Amazing Spider-Man #257』(1984年10月号)誌上です。 『Amazing Spider-Man #257』より
MJはその後も何度か大好きなアンナ伯母さん宅を訪問しますが、そのたびにアンナはMJにピーターを紹介しようとします。しかしピーターがスパイダーマンであることを知ってしまったMJは頑としてこれを受け入れませんでした。
MJは物静かで繊細な彼のマスクの裏側には真の姿があり、それがとてもとても恐ろしく危険なものに思えてならなかったのです。
やがて母・マデリンが他界します。
さらに姉・ゲイルが夫・ティミーに捨てられ子供を引き取ることになりました。彼女のお腹の中には二人目の子供がいました。ゲイルはMJに援助を求めますが、演劇の勉強をし、女優になる夢を持っていたMJは姉と決別します。
MJは母の死、姉との決別を機に、一人アンナ伯母さんの元で暮らすことを決心しました。MJの心境は大きく変化しており、ピーター(=スパイダーマン)にも興味を持ち始めていました。
そしてこの初対面のシーンへと繋がっていくのです。
公開された映画では、ピーターとMJの出会う設定が大幅に変更されました。また、この「生い立ち」は後付けのストーリーなのでコミック誌上においても多少違和感のある箇所がありますが、それはいたし方の無いことだと思います。
次回の「Mary Jane's Story」は出会ってから結婚までを掲載する予定です。
■MJ's COVER■
MJメインのカバーコミックは意外と出ていません。画像は手持ちのもの。左上より、
『Amazing Spider-Man Annual #19』(1985年号)
『Amazing Spider-Man Annual #21』(1987年号)
『Amazing Spider-Man #309』(1988年11月号)
『Spectacular Spider-Man #220』(1995年1月号)
『Untold Tales of Spider-Man #16』(1996年12月号)
『Peter Parker Spider-Man #29』(2001年5月号)
■MJ's FIGURE■(その1)
MJ初のフィギュアは12インチ着せ替え人形(1995年製)です。普段着とモデル時の衣装に替えることができます。
5インチは翌1996年、トイザラス限定のボックスセット「FAMOUS COUPLES」でピーターパーカーと共に発売。
1997年にもトイザラス限定ボックスセット 「HOLIDAY SPECIAL」が発売されましたが、結局トイビズからはコミック版MJの単独パック商品はリリースされませんでした。
MJはミニメイツ(2003年コミコン限定品)でも発売されました。
2006年、Bowen Designs社から限定1500体で発売されたMJのフルスタチュー。これが“MJ製品”の中では最もお気に入りです!
細かいものでは、1995年・マックのミール(左)、1996年・フランス製陶器人形(右)など・・・
※今回はコミック版関連のみで、映画版フィギュアやマテルの花嫁人形等は次回以降でご紹介します。
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